歴史的な円安が続く現在、海外の投資家から日本の不動産市場へ熱い視線が注がれています。かつてないほど割安となった日本の不動産は、グローバルマネーを惹きつけ、市場に大きな変化をもたらしています。しかし、この状況は日本の投資家にとって何を意味するのでしょうか。
本記事では、INA&Associates株式会社が、不動産の専門家として、なぜ今、日本の不動産がこれほどまでに魅力的なのか、円安が市場に与える具体的な影響、そして今後の投資戦略について、一般の消費者の方にも分かりやすく、かつ専門的な視点から解説いたします。
円安で加速する海外からの不動産投資
現在の円安水準が、海外投資家にとってどれほど魅力的かを理解することが、市場を読み解く第一歩です。ドル建てで見ると、日本の不動産は数年前と比較して大幅に割安になっています。
ドル/円為替レートの推移
| 年 | 平均レート |
|---|---|
| 2021年 | 109.75円 |
| 2022年 | 131.50円 |
| 2023年 | 140.49円 |
| 2024年 | 151.37円 |
| 2025年10月 | 150-153円台 |
【出典】ecodb、各銀行公表データより作成
この為替の変動により、海外投資家による日本の不動産取得が活発化しています。不動産サービス大手JLLの調査によれば、2025年上期の不動産投資額:3兆1,932億円(前年比22%増)を記録しました。また、日本経済新聞は2025年上半期だけで海外勢の購入額が1兆円を超え、過去最高となったと報じています。
では、なぜ彼らは日本の不動産を選ぶのでしょうか。その理由は価格の魅力だけではありません。
海外投資家が日本不動産に注目する理由
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 価格の割安感 | 円安に加え、他国の主要都市と比較して依然として不動産価格がリーズナブルである点。 |
| 安定した収益性 | 政治・経済の安定性を背景に、長期的に安定した賃料収入(インカムゲイン)が期待できる。 |
| インバウンド需要 | 観光客の増加により、ホテルや商業施設の収益性向上への期待が高い。 |
| 法制度の信頼性 | 外国人に対する不動産所有権の規制がなく、所有権が法的に保護されている。 |
| リスク分散 | 地政学的リスクが高まる他地域と比較し、安全な投資先としてポートフォリオに組み込む動き。 |
円安が不動産市場に与える具体的な影響
グローバルマネーの流入は、日本の不動産市場全体に多角的な影響を及ぼしています。特に、その影響は都心部で顕著です。
国土交通省が発表した2025年1月1日時点の地価動向では、全国の地価が4年連続で上昇し、特に東京などの大都市圏で上昇幅が拡大しています。これは、海外投資家の需要が集中していることの表れです。
一方で、円安は建設コストにも影響を与えます。輸入される建材やエネルギー価格が高騰するため、新築マンションやビルの価格は上昇傾向にあります。この動きは、相対的に価格が安定している中古市場への関心を高める要因ともなっています。
さらに、インバウンド需要の回復は、ホテルや商業施設の稼働率を押し上げ、これらのアセットタイプの価値向上に直結しています。特に、観光地や主要駅周辺の物件は、高い収益性が見込まれるため、投資対象としての魅力が増しています。
円安時代の不動産投資戦略
このような市場環境の中、日本の投資家はどのような戦略を取るべきでしょうか。円安はメリットとデメリットの両側面を持ち合わせています。
国内投資家から見た円安のメリット・デメリット
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 資産価値 | 海外からの資金流入により、保有不動産の資産価値上昇が期待できる。 | 新規に購入する場合、物件価格が高騰している可能性がある。 |
| インフレ対策 | 物価上昇局面において、現物資産である不動産はインフレに強い資産となる。 | 金利上昇局面では、ローン返済額が増加するリスクがある。 |
| 収益性 | インバウンド需要や経済活動の活発化により、賃料収入の増加が期待できる。 | 物件取得競争が激化し、利回りが低下する可能性がある。 |
この状況を踏まえ、私たちは以下の投資戦略を推奨します。
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長期的な視点を持つ短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な資産形成の視点から優良な物件を選ぶことが重要です。人口動態や再開発計画など、エリアの将来性を見極める必要があります。
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インカムゲインを重視する価格上昇(キャピタルゲイン)だけを狙うのではなく、安定した賃料収入(インカムゲイン)が見込める物件に注目します。特に、賃貸需要が底堅い都心部のレジデンス(居住用物件)は魅力的な選択肢です。
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専門家と連携する市場は常に変動しており、正確な情報を基にした判断が不可欠です。信頼できる不動産のプロフェッショナルをパートナーとし、客観的なアドバイスを得ることが成功の鍵となります。
まとめ
本稿では、円安が日本の不動産市場に与える影響と、今後の投資戦略について解説いたしました。
歴史的な円安を背景に、日本の不動産は今、グローバルな投資対象として大きな注目を集めています。海外からの資金流入は、不動産価格を押し上げる一方で、国内の投資家にとっては新たなチャンスと課題の両方をもたらします。
重要なのは、市場の動向を冷静に見極め、ご自身の投資目標に合わせた戦略を立てることです。短期的な利益追求に走るのではなく、長期的な視点で資産価値を育むという王道こそが、不確実な時代を乗り越えるための最も確かな羅針盤となります。
INA&Associates株式会社では、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な不動産投資プランをご提案しております。ご自身のポートフォリオ戦略について、あるいは具体的な物件情報について、少しでもご興味をお持ちいただけましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q1:今から不動産投資を始めても遅くないですか?
A1:決して遅くはありません。物件価格は上昇傾向にありますが、金融緩和は継続されており、ローン金利は依然として低い水準です。長期的な視点で優良物件を選定すれば、十分に収益を確保するチャンスはあります。重要なのは、適切なタイミングと物件を見極めることです。
Q2:地方の不動産にも投資妙味はありますか?
A2:投資妙味は十分にあります。ただし、都心部とは異なる視点が必要です。インバウンド需要が見込める観光地や、特定の産業が集積する地方都市など、人口減少の影響を受けにくいエリアを見極めることが重要です。二極化が進む中で、エリア選定がより一層重要になります。
Q3:為替が円高に振れた場合のリスクは?
A3:円高に振れた場合、海外投資家の購入意欲が減退し、不動産価格の上昇ペースが鈍化する可能性があります。しかし、国内の安定した賃貸需要に支えられた物件であれば、為替変動が賃料収入に与える影響は限定的です。インカムゲイン重視の戦略がリスクヘッジになります。
Q4:投資用物件を選ぶ際のポイントは何ですか?
A4:最も重要なポイントは「立地」です。将来にわたって賃貸需要が見込めるエリアかどうかを徹底的に調査する必要があります。駅からの距離、周辺環境、再開発計画などを総合的に評価します。加えて、建物の管理状態や長期修繕計画も重要な判断材料です。当社では、これらの情報を網羅した詳細な物件レポートをご提供しています。
Q5:自己資金はどのくらい必要ですか?
A5:物件価格や金融機関の融資条件によって異なりますが、一般的には物件価格の1〜2割程度の自己資金が必要とされています。ただし、個人の属性や物件の収益性によっては、より少ない自己資金で始められるケースもあります。まずは弊社の専門家にご相談いただき、資金計画を立てることをお勧めします。
稲澤大輔
INA&Associates株式会社 代表取締役。大阪・東京・神奈川を拠点に、不動産売買・賃貸仲介・管理を手掛ける。不動産業界での豊富な経験をもとに、サービスを提供。 「企業の最も重要な資産は人財である」という理念のもと、人財育成を重視。持続可能な企業価値の創造に挑戦し続ける。 【取得資格(合格資格含む)】 宅地建物取引士、行政書士、個人情報保護士、マンション管理士、管理業務主任者、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、賃貸不動産経営管理士、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者、不動産コンサルティングマスター