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    管理会社って何をしているの?不動産管理会社の役割と日々の業務

    不動産のオーナー様の中には、「管理会社って普段何をしているの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。物件を預けているものの、具体的な業務内容が見えづらいと感じるのは自然なことです。しかし、実際には管理会社はオーナー様に代わって 賃貸経営を円滑にするための多岐にわたる業務 を日々行っています。この記事では、不動産管理会社の基本的な役割から日次・月次の具体的な業務内容、そして修繕手配やリスク対応の重要性について、わかりやすく解説します。初心者の方でも理解しやすいよう、専門用語はできるだけ避けて丁寧に説明いたします。それでは、管理会社の仕事の実態を見ていきましょう。

    不動産管理会社の基本的な役割

    不動産管理会社の基本的な役割は、オーナー様に代わって賃貸物件の管理・運営全般を担うことです。具体的には、空室があれば入居者募集(客付け)から契約手続き、入居者対応、建物の維持管理、そしてオーナー様への報告・収支管理まで、多くの業務を一括して請け負います。管理会社はオーナー様と入居者様双方の橋渡し役となり、円滑な賃貸経営をサポートする パートナー と言えるでしょう。

    こうした役割を果たす中で特に大切なのが、信頼関係の構築です。オーナー様と入居者様、管理会社の三者が信頼で結ばれていることが、安定した賃貸経営の土台となります。 実績ある管理会社は誠実なコミュニケーションと透明性の高い情報提供によって信頼を得ており、結果的に長期的な資産価値の向上にもつなげています。例えばINAも、テクノロジーを活用した透明性の高い管理に取り組む企業の一つです。清掃写真や点検報告書をオンラインシステム経由でオーナー様に共有するなど、情報開示を徹底することで「見えない管理」を見える化し、安心感と信頼性を高めています。このように、管理会社は単なる業務代行者ではなく、オーナー様の大切な資産を守り育てる良き伴走者としての役割を果たしているのです。

    日次業務:入金確認・問い合わせ対応・現場巡回

    管理会社が毎日行っている主な業務(日次業務)には、次のようなものがあります。

    • 入金確認(家賃の管理):入居者様からの家賃や共益費の入金状況を確認します。毎月決まった期日までに正しく支払われているかをチェックし、万一滞納があれば速やかに督促対応を行います。家賃の支払い忘れや残高不足による遅れは珍しくなく、その場合管理会社がオーナー様に代わって入居者様へ連絡し、早期に支払いを促します。こうした 入金管理 によって、オーナー様は安定した収入を確保できるのです。

    • 問い合わせ・クレーム対応:入居者様や近隣住民からの連絡窓口として、日々さまざまな問い合わせや苦情に対応します。例えば「隣室の生活音がうるさい」「設備が故障した」「ゴミの出し方について相談したい」といった内容が代表的です。管理会社は24時間対応の緊急連絡先を設けている場合もあり、急な設備トラブルや騒音トラブル等にも迅速に対処します。対応が遅れると入居者様の不満が募り、退去につながるリスクもありますが、丁寧かつ素早い対処によって入居者様の安心感を保ち、物件の評判維持につなげています。

    • 現場巡回・点検:管理物件を定期的に巡回し、建物や共用部分の状態チェックを行います。ゴミ置き場や廊下・エントランスが清潔に保たれているか、照明や設備に不具合はないか、異常箇所はないかを確認します。こうした日常的な巡回・点検は小さな不具合を早期に発見し、大きなトラブルになる前に対処するために重要です。また、建物に付属する消防設備や防犯設備の法定点検も適切に実施し、安全性を維持します。例えば共用部の電球切れを発見したら速やかに交換手配を行うなど、細かな対応の積み重ねが入居者様の快適な暮らしにつながっています。

    これらの日次業務は一見地味に思えますが、賃貸住宅の良好な環境維持には欠かせません。管理会社が陰で入念に動いているからこそ、入居者様は快適に暮らし、オーナー様は安心して物件を任せておけるのです。

    月次業務:家賃送金・オーナー報告書作成・収支管理

    日々の管理業務に加えて、月単位で定期的に行われる業務(月次業務)もあります。毎月発生する主な管理会社の業務として、以下のようなものが挙げられます。

    • 家賃の送金:管理会社は集金代行として入居者様から預かった家賃を一旦プールし、契約で定められたタイミング(例えば毎月○日など)にオーナー様の口座へ送金します。これにより、オーナー様自身が各入居者から家賃を集金する手間が省け、確実に収入を受け取ることができます。従来、多くの管理会社では入居者様から集金した翌月にオーナー様へ送金するケースが一般的でした。しかし最近では、送金のタイムラグを解消 しようとする試みもあります。例えばINAでは入居者様(または家賃保証会社)からオーナー様の口座に直接家賃を振り込む仕組みを導入しており、オーナー様が早期に家賃収入を得られるよう工夫されています。このような仕組みは「ちゃんと家賃が振り込まれるだろうか」というオーナー様の不安を減らし、信頼感につながっています。

    • オーナー報告書(月次報告)の作成:毎月の収支をまとめたオーナー向けの報告書を作成・送付するのも重要な業務です。報告書には各部屋の家賃入金状況や集金額、管理手数料やその月に発生した修繕費用などの支出、空室や滞納の有無、翌月以降の契約更新予定などが明記されます。信頼できる管理会社であれば、このような マンスリーレポート をきちんと作成してくれるため、オーナー様は手元で物件の経営状況を把握することができます。収支の内訳が透明化されていることで、「任せっぱなしで状況がわからない」という不安も解消されるでしょう。

    • 収支管理と資産運用サポート:管理会社は月々の収入・支出を管理するとともに、年間を通じた収支計画の助言も行います。例えば、将来的な大規模修繕に備えて毎月いくら程度積み立てておくべきか、固定資産税などの支払いに向けて資金をどう確保するか、といった資金計画についてアドバイスすることもあります。さらに、地域の賃料相場や市場動向を踏まえて必要に応じた家賃見直し提案を行うなど、資産価値を維持・向上させるためのコンサルティング的な役割を果たすケースもあります。管理会社は単に経理事務を代行するだけでなく、オーナー様の不動産投資を長期的に成功させるパートナーとして収支面でもサポートしてくれるのです。

    このように月次業務をきちんと行ってくれる管理会社であれば、オーナー様は毎月決まった報告を受け取ることで安心して物件の状況を把握できます。数字の管理が苦手な方でも、プロによるサポートで健全な賃貸経営を続けられるでしょう。

    修繕手配やリスク対応の重要性

    不動産経営には予期せぬトラブルや長期的な課題も付きものです。修繕手配やリスク対応は、管理会社に依頼する上で特に重要なポイントと言えます。

    まず修繕手配についてです。建物や設備は経年劣化や日常使用によって少しずつ不具合が生じます。例えば給湯器やエアコンの故障、水漏れ、建物外壁のひび割れなどが発生した場合、管理会社が窓口となって適切な業者を手配します。修理内容の確認や見積もり取得、オーナー様への報告と了承取り、作業日の調整、完了後のチェックまで、一連のプロセスを管理会社が代行するため、オーナー様自身が対応する手間が省けます。特に設備トラブルは入居者様の生活に直結するため、スピーディーな修繕対応が求められます。管理会社は日頃から提携業者ネットワークを持ち、緊急時にも迅速に駆けつけてもらえる体制を整えています。また、日常の巡回時に小さな不具合を発見した際は早めに修理・交換を行い、問題の拡大を防ぎます。さらに長期的視点では、物件の定期点検や計画的なメンテナンス(長期修繕計画の立案と実行)も管理会社の大切な仕事です。定期的に建物の健康診断を実施し、必要に応じて大規模修繕工事(外壁塗装や屋上防水工事など)のタイミングを計画します。こうした修繕対応を怠らないことで建物の資産価値を維持・向上させ、入居者様からのクレームも減らすことができます。

    次にリスク対応です。賃貸経営には様々なリスク要因がありますが、管理会社はその「いざ」という時にも心強い存在です。たとえば災害や事故への対応。台風による建物破損や大雨による浸水、火災や地震といった不測の事態が起きた際、管理会社は緊急連絡を受け付けて迅速に動きます。被害状況の確認と応急処置の手配、入居者様の安全確保、保険会社への連絡や行政への届出サポートなど、必要な対応を速やかに行いオーナー様へ状況報告します。信頼できる管理会社の中には24時間365日対応可能なコールセンターを設置し、夜間や休日でも電話一本で駆けつけてくれるところもあります。INAでも入居者様専用の24時間コールセンターを運営しており、深夜の水漏れや停電トラブルなど緊急時にも素早く対処できる体制を整えています。こうした迅速な対応力(=対応力の高さ)は入居者様の安心感につながり、オーナー様にとっても物件を任せる上で大きな安心材料となるでしょう。

    また、空室リスクへの対応も管理会社の重要な役割です。空室が長引けばオーナー様の収入に直接影響しますので、管理会社は空室発生時には早期に次の入居者を確保すべく全力を尽くします。具体的には、賃料設定の見直しや広告宣伝の強化、仲介業者への働きかけなどを通じて早期成約を目指します。不動産市況によっては入居付けに時間がかかる場合もありますが、その際でも募集状況の報告を定期的に行い、必要なら条件変更等の提案をしてくれる管理会社だと安心です。加えて、前述したような入居者対応の充実も長い目で見れば空室リスク対策になります。日頃から入居者様の満足度を高めて退去率を下げることができれば、空室発生の頻度自体を減らせるからです。このように、管理会社は「入居者を募る力」と「入居者に長く住んでもらう工夫」の両面から空室リスクに対処しています。

    最後に、法改正や契約トラブル等のその他のリスクにも触れておきましょう。賃貸借契約に関する法律や条例が変わった場合の対応(契約書の見直しや是正工事の手配など)や、入居者様が家賃保証会社と契約していない場合の滞納発生時の法的手続きのサポート、近隣トラブルへの対処、退去時の敷金精算トラブルの調整など、賃貸経営には専門知識を要する場面が少なくありません。優秀な管理会社であれば、こうした場面でも経験と知識を活かして的確に対処し、オーナー様をサポートしてくれます。万一法的措置が必要なケースでは、弁護士等と連携して解決にあたるなど、オーナー様だけでは対応が難しいリスクにもプロの立場から寄り添ってくれるのです。

    まとめ:管理会社は頼れるパートナー

    ここまで見てきたように、不動産管理会社は物件運営の裏方として日々細かな業務をこなし、定期的な収支管理や将来を見据えたリスク対応まで包括的に担っています。オーナー様自身が対応するには大変な手間と労力がかかるこれらの仕事をプロに委託すれば、オーナー様は煩雑な実務から解放され、安心して安定収入の確保に専念できます。実績と信頼のある管理会社に任せることは、不動産投資の成功につながる重要なポイントと言えるでしょう。

    INAをはじめ、信頼性と対応力に定評のある管理会社は多数存在します。豊富な経験に裏打ちされた的確な業務運営と、オーナー様・入居者様双方へのきめ細やかなサービス提供によって、「任せて良かった」と思える賃貸経営を実現してくれるはずです。管理会社選びに迷った際は、業務内容や実績、対応の丁寧さなどに注目しながら、ぜひ信頼できる一社をパートナーとして見つけてください。オーナー様の大切な不動産を守り育ててくれる心強い味方として、きっと力になってくれるでしょう。

    稲澤大輔

    稲澤大輔

    INA&Associates株式会社 代表取締役。大阪・東京・神奈川を拠点に、不動産売買・賃貸仲介・管理を手掛ける。不動産業界での豊富な経験をもとに、サービスを提供。 「企業の最も重要な資産は人財である」という理念のもと、人財育成を重視。持続可能な企業価値の創造に挑戦し続ける。 【取得資格(合格資格含む)】 宅地建物取引士、行政書士、個人情報保護士、マンション管理士、管理業務主任者、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、賃貸不動産経営管理士、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者、不動産コンサルティングマスター