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    2025年最新:愛宕地区第一種市街地再開発事業で実現する未来型都市環境

    愛宕地区しゅん工パース

    港区ホームページより引用

    愛宕地区第一種市街地再開発事業は、東京都港区愛宕一丁目の約0.6ヘクタールの区域で進められている再開発プロジェクトです。この事業は、国際的なビジネス拠点として注目される虎ノ門エリアに隣接する愛宕山の麓で行われており、歴史ある自然環境と都市機能の調和を目指しています。

    計画概要

    • 施行者: 独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)
    • 所在地: 東京都港区愛宕一丁目の一部
    • 区域面積: 約0.6ヘクタール
    • 建蔽率: 1街区:約50%、2街区:約50%
    • 容積率: 1街区:約1,300%、2街区:約120%

    整備計画

    • 階数(高さ)

      • 1街区:地上41階、地下2階(約159メートル)
      • 2街区(2-1棟):地上3階(約15メートル)
      • 2街区(2-2棟):地上3階(約10メートル)
    • 延べ面積

      • 1街区:約54,100平方メートル
      • 2街区:約1,010平方メートル
    • 主な用途

      • 1街区:住宅(約360戸)、事務所、店舗
      • 2街区(2-1棟):店舗
      • 2街区(2-2棟):寺院

    自然の地形では東京23区で最も標高が高い愛宕山(標高26m)に隣接するこの地区は、愛宕神社の参道と一体となったオープンスペースの整備や、愛宕下通りの拡幅整備、愛宕山の斜面整備などが計画されています。

    計画の特徴と魅力

    愛宕山の緑と歴史的環境の調和

    この再開発の最大の特徴は、愛宕山の豊かな緑と歴史的・文化的環境を活かした都市開発です。愛宕山は東京23区内の自然地形で最も高い山であり、その頂には1603年に徳川家康の命により創建された由緒ある愛宕神社があります。この貴重な自然環境と歴史的空間を尊重し、都市空間に拡張する形で再開発が進められています。

    参道空間の整備と広場の創出

    愛宕神社の参道と連続して両側に広場を整備し、歴史性に配慮した風格ある空間が創出されます。建物低層部には商業機能を設け、にぎわいある滞留空間としての参道空間を形成します。これにより、神社の参拝者や地域住民、オフィスワーカーなどが集い、交流する場が生まれます。

    眺望への配慮と建物配置

    1街区に超高層建物を配置し、2街区の建物ボリュームを抑えることで、愛宕山への眺望の確保や愛宕山山頂空間の開放性の確保を図っています。特に、愛宕下通りや愛宕山山頂からの眺望に配慮した計画となっています。野村不動産

    生物多様性に配慮した緑化計画

    愛宕山崖線に面する部分に緑地を設け、愛宕山の斜面林と呼応する生物多様性に配慮した緑化が行われます。専門家のアドバイスを受けながら、かつてこの場所にいた生き物たちが戻ってくるような環境づくりを目指しています。

    事業の整備方針

    愛宕山の緑と一体となった都市環境の創出

    愛宕神社参道と連続した広場空間を整備し、歴史性に配慮した風格ある街並みを形成します。愛宕山の斜面林と連続した緑地帯を設けることで、緑のネットワークを形成し、生物多様性にも配慮した環境づくりを行います。

    国際的なビジネス・交流拠点にふさわしい居住機能の導入

    愛宕山の自然環境に抱かれた立地環境や病院・学校等の近接する特性を活かし、グローバル水準にも対応した良質な都市型居住機能を導入します。アフターコロナの社会動向にも配慮し、生活・産業支援施設を導入することで、愛宕山の自然環境に親しむ職住近接のライフスタイルの実現を目指します。

    基盤整備と安全対策の実施

    放射第21号線(愛宕下通り)の概成区間の拡幅整備を行うことで、交通の円滑化を図るとともに、快適な歩行者空間の形成を図ります。また、区道第812号線、愛宕神社参道(区道第118号線)、愛宕山内の道路の電線類地中化を行い、都市防災機能の強化に資する安全で快適な歩行者空間の確保に寄与します。

    土砂災害特別警戒区域に指定された愛宕山斜面の安全対策として、緑の保全に配慮しながら、既存擁壁の補強や斜面補強等の対策を実施します。従来の工法ではなく、木々を1本ずつ図面へプロットし、健康状態まで確認したうえでワイヤーネットとアンカー杭を使用する工法を採用し、緑の保全と安全性の両立を図っています。

    開発スケジュールと進捗状況

    これまでの経緯

    • 2010年:愛宕山周辺の一体再開発を検討開始
    • 2013年:まちづくり協議会の立ち上げ
    • 2017年:地権者からUR都市機構へ事業施行の要請
    • 2022年3月:都市計画決定(地区計画)
    • 2022年6月:都市計画決定(市街地再開発事業)
    • 2023年1月:事業計画認可
    • 2023年10月:権利変換計画認可

    今後の予定

    • 2024年度:建築工事着工
    • 2028年11月:1街区竣工予定
    • 2031年:2街区着工予定
    • 2032年:2街区竣工予定(事業完了)

    2025年5月現在、1街区(F地区)の既存建物解体および斜面工事が完了し、新築工事着手の段階に入っています。2街区(G地区)の工事は、1街区の完成後に既存建物解体から始まる予定です。

    周辺環境と立地の魅力

    交通アクセス

    最寄り駅は東京メトロ日比谷線「神谷町駅」および東京メトロ銀座線「虎ノ門ヒルズ駅」で、いずれも徒歩7〜8分程度です。都心の中心に位置し、東京のどこへ行くにも便利な立地となっています。

    周辺の再開発動向

    愛宕地区の周辺では、すでに完了した愛宕グリーンヒルズ、虎ノ門ヒルズ、虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワーなどの再開発に続き、東京虎ノ門東急REIホテル跡地の開発や、森ビルによる「虎ノ門・麻布台プロジェクト(麻布台ヒルズ)」など、多くの再開発プロジェクトが進行しています。

    2024年6月には神谷町駅から徒歩2分に住友不動産の高級分譲賃貸マンション「シティタワー虎ノ門」が竣工し、2025年10月には「麻布台ヒルズレジデンスB」が竣工予定となっています。これらの再開発により、エリア全体の価値が向上しています。

    国際性と生活環境

    神谷町エリアは大使館も多く、外国人が住む国際色豊かなインターナショナルシティでもあります。国家戦略特別区域特定事業に指定され、国際ビジネス拠点としての未来に向けた開発が進んでいます。

    住宅としての魅力と資産価値

    再開発マンションの特性

    1街区に建設される地上41階建てのタワーマンションは、総戸数約360戸となる大規模マンションです。低層部に事務所や店舗を備え、中層階から高層階が住居となります。

    再開発エリア内のマンションは、物件周辺の歩道や広場など街区全体が開発されるため、街並みが綺麗で利便性が高いという魅力があります。特に、エリア内に公園・商業施設などが併設される再開発物件は、快適な住環境が保証されます。

    資産価値の分析

    神谷町駅周辺の中古マンションの価格は、近年上昇傾向にありますが、具体的な値上がり率については物件や時期によって異なります。再開発で進化を遂げた「アークヒルズ」「虎ノ門ヒルズ」「麻布台ヒルズ」が徒歩圏内にあることも、地価向上に寄与しています。

    この物件は、階数や向きによっては東京タワーの眺望が楽しめ、愛宕山の豊かな緑も感じられる環境です。このような豊かな暮らしをかなえる環境と資産価値が同時に手に入る物件として、高い注目を集めています。

    開発に関わる事業者

    事業の役割分担

    • 施行者: 独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)
    • 特定業務代行者: 株式会社竹中工務店・野村不動産株式会社

    UR都市機構は施行者として地権者との合意形成や行政との調整を含め、事業全体を推進していくためのマネジメントを担当しています。竹中工務店が建物の設計と施工を担い、野村不動産が住宅部分を取得し、商品企画を行います。

    各事業者の役割

    • UR都市機構: 事業主体(施行者)として全体のマネジメント、権利者との合意形成、行政との調整を担当
    • 竹中工務店: 1街区建設工事および基盤整備その他工事の受注、建物の設計・施工を担当
    • 野村不動産: 特定事業参加者として住宅の保留床取得、住宅の商品企画・販売を担当

    これら3社が協力して事業を進めることで、UR都市機構・民間事業者双方の得意分野を結集したまちづくりを実現しています。

    よくある質問

    Q1: マンションの分譲はいつ頃から始まりますか?

    A1: 1街区の建物(タワーマンション)は2028年11月の竣工を予定しており、分譲開始はそれより前になると見込まれます。具体的な販売時期は野村不動産の発表をお待ちください。

    Q2: どのような住戸タイプが予定されていますか?

    A2: 詳細な間取りや住戸タイプはまだ公表されていませんが、グローバル水準に対応した都市型居住機能として、多様な住戸タイプが用意される見込みです。

    Q3: 愛宕山の斜面は安全ですか?

    A3: 愛宕山の斜面は土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定されていましたが、本事業では緑の保全に配慮しながら、ワイヤーネットとアンカー杭を使用した斜面補強工事を実施し、安全性を確保しています。

    Q4: 再開発後も愛宕神社へのアクセスは維持されますか?

    A4: はい、愛宕神社への参道は維持されるだけでなく、参道の両側に広場を整備する計画があり、参道の幅が拡張される見込みです。また、神社の行事とも連携したにぎわいづくりが検討されています。

    Q5: 完成後の街のにぎわいはどのように創出されますか?

    A5: 建物低層部の店舗が参道空間へ滲み出すような設えとし、神社の行事とも連携したエリアマネジメントが計画されています。再開発完了後もUR都市機構がエリアマネジメントに関わり、地域の活性化を図る予定です。

    まとめ

    愛宕地区第一種市街地再開発事業は、東京都心の貴重な緑地である愛宕山と都市機能が融合した、他に類を見ない再開発プロジェクトです。歴史ある愛宕神社の参道と一体となったオープンスペースの整備や、生物多様性に配慮した緑化計画など、自然環境と都市環境の調和を目指した取り組みが特徴的です。

    1街区の高層タワーマンションは2028年の竣工を目指し、2025年から本格的な建設工事が始まります。周辺エリアでも多数の再開発が進行しており、今後さらなる発展が期待される注目のエリアとなっています。

    歴史と自然、そして最先端の都市機能が融合した愛宕地区の再開発は、新たな都市の姿を示す先進的なモデルケースとなるでしょう。今後も事業の進捗状況や詳細情報に注目していきたいと思います。

    稲澤大輔

    稲澤大輔

    INA&Associates株式会社 代表取締役。大阪・東京・神奈川を拠点に、不動産売買・賃貸仲介・管理を手掛ける。不動産業界での豊富な経験をもとに、サービスを提供。 「企業の最も重要な資産は人財である」という理念のもと、人財育成を重視。持続可能な企業価値の創造に挑戦し続ける。