港区において誕生した歴史的大規模分譲マンション「三田ガーデンヒルズ」。旧逓信省簡易保険局庁舎跡地に位置するこのプロジェクトは、不動産業界に携わる者として注目せざるを得ない象徴的な存在です。今回は港区が誇る高級レジデンスとしての三田ガーデンヒルズの魅力と価値について考察してみました。
三田ガーデンヒルズは、港区三田一丁目、東京メトロ南北線・都営大江戸線「麻布十番」駅から徒歩5分という優れたアクセス性を誇ります。この立地は単なる利便性だけではなく、歴史的建造物が点在する格調高い地域に位置することで、都心でありながら静寂と風格を併せ持つ稀有な環境です。
敷地面積は約25,000㎡と港区最大級。この広大な土地に5棟の建物からなる総戸数1,002戸の大規模レジデンスが誕生しました。旧逓信省の建築美を継承した外観デザインは、周辺の歴史的景観と見事に調和し、長期的な視点で見ても確かな資産価値を持つことでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
物件名 | 三田ガーデンヒルズ |
所在地 | 東京都港区三田1丁目102番1(地番) |
交通 | 東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線「麻布十番」駅徒歩5~7分 都営地下鉄三田線「芝公園」駅徒歩10~12分 |
総戸数 | 1,002戸(他店舗2区画) |
敷地面積 | 25,246.57㎡ |
延床面積 | 148,310.07㎡ |
構造・規模 | 鉄筋コンクリート造・地下2階地上14階他 |
建築確認番号 | 敷地①:BCJ21本建確079変3(令和4年12月2日) 敷地②:BCJ21本建確072変3(令和4年12月2日) |
竣工時期 | 2025年3月(予定) |
入居時期 | 2025年6月下旬(予定) |
設計・施工 | 大成建設株式会社 |
売主 | 三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス株式会社 |
管理会社 | 三井不動産レジデンシャルサービス株式会社 |
駐車場 | 総戸数1002戸に対して501台[機械式:459台、平置き:42台] 月額使用料: 50,000円~80,000円 |
駐輪場 | 1,002台/月額使用料: 200円~1,000円、シェアサイクル20台 |
管理形態 | 管理組合結成後管理会社へ委託(管理人常駐) |
三田ガーデンヒルズは5棟構成となっており、各棟がそれぞれ特徴を持っています。
棟名 | 特徴 |
---|---|
PARK MANSION | グランドエントランスを有する象徴的な棟 |
NORTH HILL | 総戸数264戸の大型棟 |
EAST HILL | 東側に位置し、日当たりの良い棟 |
SOUTH HILL | 緑に面した開放感のある棟 |
WEST HILL | 8階建て、緑を身近に享受できる特徴的な棟 |
タイプ | 専有面積 | 価格帯 | 坪単価 |
---|---|---|---|
4LDK+WIC+SIC+P | 200.42㎡(約60.62坪) | 約17億円(10F) | 約2,804万円/坪 |
3LDK+2WIC+SIC | 106.43㎡(約32.19坪) | 3億9,500万円台(10F) | 約1,227万円/坪 |
2LDK+WIC | 70.94㎡(約21.45坪) | 2億6,700万円~2億9,400万円台 | 約1,244万円~1,370万円/坪 |
2LDK+WIC+SIC+TR | 67.59㎡(約20.44坪) | 2億500万円~2億1,400万円台 | 約1,002万円~1,046万円/坪 |
2LDK | 56.24㎡(約17.01坪) | 1億8,600万円~1億9,500万円台 | 約1,093万円~1,146万円/坪 |
タイプ | 専有面積 | 賃料相場 |
---|---|---|
3LDK+Sun+DEN+WIC+SIC | 95.25㎡ | 123万円 |
3LDK | 82.99㎡ | 125万円 |
2LDK~3LDK | 70㎡~106㎡ | 95万円~180万円 |
2LDK | 56㎡前後 | 45万円~50万円 |
項目 | 内容 |
---|---|
断熱性能 | 全戸ZEH-Oriented取得予定 |
創エネ設備 | 太陽光発電設備、家庭用燃料電池(エネファーム)導入 |
緑化計画 | 約7,700㎡のランドスケープデザイン |
特殊設計 | カーボンニュートラルデザインプラン(一次エネルギー消費量削減率約▲53%) |
バイオフィリック | 住戸内緑化、五感で自然を感じる設計 |
レジリエンス | 停電時にもガスによる発電可能なエネファーム採用 |
施設名 | 概要 |
---|---|
住民専用の森 | 四季折々の草木や花が楽しめる中央の憩いの空間 |
ラウンジ | 複数のラウンジを各所に配置 |
ワークスペース | テレワークやビジネスミーティングに対応 |
ゲストハウス | 宿泊施設を完備 |
ミニストア | 日常の買い物に便利な店舗 |
フィットネスルーム | 最新設備を備えたトレーニング施設 |
レストラン・バーラウンジ | 夜景を眺めながらくつろげる空間 |
スパ・サウナ | リラクゼーション設備 |
ゴルフレンジ | ゴルフの練習が可能な設備 |
シアタールーム | 映画鑑賞などが楽しめる空間 |
会員制プール | 居住者専用のプール設備 |
三田ガーデンヒルズは、単なる高級マンションの枠を超え、都市居住の新しいパラダイムを提示する象徴的プロジェクトです。この建築物が示唆するのは、不動産開発のあり方そのものの変革です。
第一に、歴史的価値の継承と革新的技術の融合という観点から、建築は過去と未来をつなぐ重要な架け橋となり得ることを示しています。旧逓信省の意匠を継承しながらも、最新の環境技術を取り入れることで、伝統と革新が共存する新たな価値を生み出しています。
第二に、環境との調和という視点では、都市部においてもサステナビリティを追求することの重要性と可能性を提示しています。カーボンニュートラルという地球規模の課題に対し、住環境からのアプローチが具体的な形で実現されている点は、不動産業界全体に対する重要なメッセージと言えるでしょう。
第三に、空間デザインとライフスタイルの融合により、住まいは単なる「住む場所」から「暮らしを豊かにする場所」へと進化することを示しています。共用施設の充実や生活支援サービスの導入は、現代社会における多様なニーズに応えるとともに、コミュニティ形成という社会的価値も創出しています。
第四に、投資価値と居住価値の両立という観点からは、本物の品質と希少性が長期的な資産価値を維持するという原則を改めて確認させるものです。短期的な収益性だけではなく、居住者の生活の質を高める本質的な価値が、結果として経済的価値にも還元されるという好循環を生み出しています。
これからの不動産開発において求められるのは、単に「高級」や「豪華」といった表層的な価値ではなく、環境・社会・経済の三側面における持続可能性を備えた、本質的な価値の創造です。三田ガーデンヒルズの誕生は、そうした新たな不動産価値の可能性を広く社会に示す重要な一歩となるでしょう。
住まいは人生の基盤であり、その質は生活の質に直結します。その意味で、質の高い住環境の創出は単なるビジネスを超えた社会的責務と言えます。三田ガーデンヒルズが体現する「住まいづくり」の哲学は、これからの不動産業界における一つの指針となり、より良い社会の実現に寄与することを私自身期待しています。