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【プロが解説】賃貸経営は単なる資産運用ではない!事業経営として成功するための必須知識

作成者: 稲澤大輔|2025/10/17 2:50:46 Z

賃貸経営を始めようとお考えの方、あるいは既に始めているものの、単なる「資産運用」の域を出ないと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不動産から得られる収益は、安定した資産形成の魅力的な選択肢です。しかし、その本質は、より能動的で戦略的なアプローチが求められる「事業経営」に他なりません。

本記事では、INA&Associates株式会社が、賃貸経営を成功に導くための「事業経営」という視点について、不動産の専門知識を交えながら分かりやすく解説します。

資産運用との違いを明確にし、具体的なメリット・デメリット、成功へのステップまで、網羅的にご紹介します。この記事が、皆様の賃貸経営を一段上のステージへと引き上げる一助となれば幸いです。

賃貸経営は「資産運用」か「事業経営」か

賃貸経営を成功させるためには、まず「資産運用」と「事業経営」の違いを正しく理解することが不可欠です。

両者は似て非なるものであり、この認識の違いが、長期的な成果に大きな差を生むことになります。

「資産運用」と「事業経営」の根本的な違い

以下のテーブルで、両者の特徴を比較してみましょう。

項目 資産運用 事業経営
目的 資産の価値を維持・増加させること(キャピタルゲイン、インカムゲイン) 事業活動を通じて継続的に利益を生み出し、事業を成長させること
主体性 比較的受動的(金融商品の購入、不動産の保有など) 能動的・主体的(経営戦略の策定、意思決定、実行)
関与度 低い(専門家に一任することが多い) 高い(経営者として深く関与する必要がある)
時間軸 短期〜長期まで様々 中長期的な視点が不可欠
リスク 市場価格の変動リスクが主 空室、家賃滞納、災害、金利変動など、多岐にわたる事業リスク

なぜ賃貸経営は「事業経営」と捉えるべきなのか

上記の比較からも明らかなように、賃貸経営は単に物件を所有して家賃収入を得るだけの受動的な活動ではありません。

そこには「入居者」という顧客が存在し、その満足度を追求することが事業の安定に直結します。

空室リスクや家賃滞納といった課題にどう対処するか、物件の価値を維持・向上させるためにどのような修繕計画を立てるかなど、常に経営者としての判断が求められます。

まさに、一つの会社を経営するのと同じ視点と覚悟が必要なのです。

事業経営としての賃貸経営5つのメリット

賃貸経営を「事業経営」として捉えることで、多くのメリットを享受することができます。

ここでは代表的な5つのメリットを解説します。

1.安定した収益(インカムゲイン)

事業が軌道に乗れば、入居者がいる限り毎月安定した家賃収入が期待できます。

これは、価格変動の激しい金融商品にはない大きな魅力です。

2.節税効果

建物の減価償却費や固定資産税、管理費などを経費として計上できるため、所得税や住民税の節税に繋がります。

特に、給与所得など他の所得がある場合に損益通算できる点は大きなメリットです。

3.生命保険の代替効果

ローンを組む際に団体信用生命保険(団信)に加入することで、万が一のことがあった場合でもローンが完済され、ご家族に無借金の資産を遺すことができます。

4.インフレ対策

インフレ局面では、物価上昇に伴い家賃も上昇する傾向があります。

また、不動産という実物資産そのものの価値も上昇するため、インフレヘッジとして有効な手段です。

5.レバレッジ効果

金融機関からの融資を活用することで、自己資金だけでは購入できない高額な物件を取得できます。

少ない自己資金で大きなリターンを狙える可能性があるのは、不動産投資ならではのメリットと言えるでしょう。

知っておくべき賃貸経営のデメリットとリスク

事業である以上、メリットだけでなくデメリットやリスクも存在します。

事前にこれらを正しく理解し、対策を講じることが成功の鍵となります。

リスクの種類 内容 主な対策
空室リスク 入居者が決まらず、家賃収入が得られない状態 入居者ニーズの高いエリア・物件を選ぶ、適正な家賃設定、効果的な入居者募集、信頼できる管理会社への委託
家賃下落リスク 築年数の経過や周辺環境の変化により、家賃が下落する可能性 長期的な視点での収支シミュレーション、リフォームやリノベーションによる物件価値の維持・向上
建物の老朽化・修繕リスク 経年劣化による修繕費用の発生、突発的な設備の故障も含む 長期修繕計画の策定、修繕積立金の確保
金利上昇リスク 変動金利でローンを組んだ場合、金利上昇により返済額が増加する可能性 固定金利の選択、繰り上げ返済の検討、金利上昇を見越した資金計画
災害リスク 地震、火災、水害などによる建物の損傷 火災保険、地震保険への加入、ハザードマップの確認

成功に導く!事業経営としての賃貸経営の始め方

では、具体的にどのように賃貸経営を始めれば良いのでしょうか。

ここでは、事業経営として成功するための8つのステップを解説します。

ステップ1:事業計画の策定

まずは「なぜ賃貸経営を行うのか」という目的を明確にし、具体的な目標(キャッシュフロー、資産規模など)を設定します。

その上で、詳細な資金計画と収支シミュレーションを行い、事業全体の設計図を描きます。

ステップ2:物件の選定

事業計画に基づき、物件を選定します。

エリアの将来性、賃貸需要、物件の種別、利回り、建物の状態などを多角的に検討し、長期的に安定した収益が見込める物件を見極めることが重要です。

ステップ3:資金調達

自己資金と融資のバランスを考え、金融機関に融資を申し込みます。

事業計画の実現可能性や物件の収益性が審査の重要なポイントとなります。

ステップ4:法人化の検討

個人の所得が一定額を超える場合や、事業規模の拡大を目指す場合は、法人化を検討するのも一つの戦略です。

税率の違いや経費計上の範囲など、メリット・デメリットを専門家と相談しながら慎重に判断しましょう。

ステップ5:管理会社の選定

賃貸経営の成功は、信頼できるパートナーである管理会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。

管理実績、入居率、対応力などを比較検討し、二人三脚で事業を推進できる会社を選びましょう。

ステップ6:入居者募集と契約

物件の魅力を最大限に伝え、ターゲットとする入居者に響く募集戦略を展開します。

入居希望者の審査を適切に行い、トラブルを未然に防ぐことも大切です。

ステップ7:運営開始後の業務

家賃の回収、入居者からのクレーム対応、定期的なメンテナンスや修繕など、運営開始後も業務は多岐にわたります。

管理会社と密に連携を取りながら、迅速かつ的確に対応していくことが求められます。

ステップ8:確定申告

不動産所得は、毎年確定申告が必要です。

経費の計上漏れがないよう、日頃から領収書などを整理し、適切に申告を行いましょう。

まとめ:賃貸経営は、覚悟と戦略を持った「事業」である

本記事では、賃貸経営が単なる「資産運用」ではなく、能動的な意思決定と戦略が求められる「事業経営」であることを解説しました。

メリット・デメリットを正しく理解し、明確な事業計画のもとでステップを踏んでいくことが、成功への唯一の道です。

受動的に資産が増えることを期待するのではなく、自らが経営者であるという強い意志を持ち、入居者という顧客と真摯に向き合う。その覚悟ができたとき、賃貸経営は安定した収益をもたらすだけでなく、皆様にとって大きなやりがいと成長の機会を与えてくれるはずです。

INA&Associates株式会社では、これまで数多くのオーナー様の賃貸経営をサポートしてまいりました。

事業計画の策定から物件選び、法人化のご相談まで、皆様一人ひとりの状況に合わせた最適なご提案をさせていただきます。

賃貸経営という事業に、共に挑戦してみませんか。まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q.不動産投資の初心者でも賃貸経営は始められますか?

A.はい、可能です。しかし、独学で始めるにはリスクが伴います。本記事で解説したように、事業経営としての知識と視点が必要です。まずは信頼できる不動産の専門家に相談し、サポートを受けながら始めることを強くお勧めします。

Q.自己資金はどのくらい必要ですか?

A.一概には言えませんが、一般的には物件価格の1〜2割程度の自己資金が必要とされています。これに加えて、登記費用や不動産取得税などの諸費用もかかります。金融機関や物件によって条件は異なりますので、事前の資金計画が重要です。

Q.管理会社に任せれば、何もしなくても良いのでしょうか?

A.いいえ、そうではありません。管理会社はあくまで経営のパートナーです。最終的な意思決定はオーナー様自身が行う必要があります。管理会社からの報告を鵜呑みにせず、常に経営者としての視点を持ち、能動的に関わっていく姿勢が求められます。