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ワンルームマンション投資のサブリースはやばい?リスクとメリットを専門家が徹底解説

作成者: 稲澤大輔|2025/07/13 5:36:18 Z

ワンルームマンション投資を検討される際、「サブリース」という言葉を耳にされることが多いのではないでしょうか。「家賃保証で安心」「管理の手間が不要」といった魅力的な謳い文句とともに紹介される一方で、「サブリースはやばい」「危険な契約」といった警告の声も聞かれます。

私は不動産業界で長年にわたり事業を展開し、多くの投資家の皆様とお話しする中で、サブリース契約に関する誤解や不安を数多く目にしてまいりました。確かにサブリース契約には注意すべき点が存在しますが、適切に理解し活用すれば、投資家にとって有効な選択肢となり得ます。

本記事では、ワンルームマンション投資におけるサブリース契約の仕組みから、メリット・デメリット、そして契約時の注意点まで、不動産投資の専門家として詳しく解説いたします。これからワンルームマンション投資を始められる方、既に投資を行っているがサブリース契約を検討中の方にとって、判断材料となる情報を提供いたします。

ワンルームマンション投資におけるサブリースとは

サブリースの基本的な仕組み

サブリース契約とは、不動産オーナーがサブリース会社(管理会社)に物件を一括で借り上げてもらい、そのサブリース会社が入居者に転貸する仕組みです。この契約形態は「転貸借契約」や「又貸し契約」とも呼ばれます。

通常の賃貸経営では、オーナーが直接入居者と賃貸借契約を結びますが、サブリース契約では以下のような関係性が成立します。

1.オーナーとサブリース会社間:マスターリース契約(特定賃貸借契約)

2.サブリース会社と入居者間:サブリース契約(転貸借契約)

この仕組みにより、オーナーは入居者の有無に関わらず、サブリース会社から一定の賃料を受け取ることができます。入居者から支払われる家賃は一旦サブリース会社が受け取り、その中から手数料を差し引いた金額がオーナーに支払われる構造となっています。

通常の管理委託との違い

サブリース契約と混同されやすいのが「管理委託契約」です。両者の違いを明確に理解することが重要です。

項目 サブリース契約 管理委託契約
賃貸借契約の当事者 オーナー⇔サブリース会社 オーナー⇔入居者
家賃の支払い サブリース会社→オーナー 入居者→オーナー
空室時の家賃 保証される(条件による) 収入なし
管理手数料 家賃の10-20%程度

家賃の3-5%程度

契約解除の難易度 困難(借地借家法適用) 比較的容易

管理委託契約では、オーナーが直接入居者と契約を結び、管理業務のみを委託します。一方、サブリース契約では、サブリース会社がオーナーから物件を借り上げ、実質的な貸主となります。

サブリース新法による規制強化

2020年12月に施行された「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(通称:サブリース新法)により、サブリース業界の透明性と適正化が図られました。この法律により、以下の規制が設けられています。

主な規制内容

1.誇大広告の禁止:実際の条件より有利に見せかける広告の禁止

2.不当な勧誘の禁止:不実の告知や重要事項の故意の不告知の禁止

3.重要事項説明の義務化:契約締結前の書面交付と口頭説明の義務

4.契約書面の交付義務:契約締結時の詳細な書面交付

5.書類の閲覧義務:オーナーからの求めに応じた書類閲覧の提供

これらの規制により、従来問題となっていた「30年間家賃保証」といった誇大広告や、賃料減額リスクの説明不足などが改善されることが期待されています。

マスターリース契約の法的性質

サブリース契約において、オーナーとサブリース会社間で締結されるマスターリース契約は、法的には「借地借家法」の適用を受ける賃貸借契約です。この点が、サブリース契約の特徴的な側面を生み出しています。

借地借家法では借主(この場合はサブリース会社)の権利が強く保護されており、貸主(オーナー)からの一方的な契約解除は原則として認められません。これは、オーナーにとって契約解除が困難になる要因の一つとなっています。

また、借地借家法第32条により、経済情勢の変化等を理由とした賃料減額請求権がサブリース会社に認められています。これが、「家賃保証」と謳われていても実際には賃料が減額される可能性がある理由です。

ワンルームマンション投資でサブリースを選ぶ5つのメリット

サブリース契約には確かにリスクが存在しますが、適切に活用すれば投資家にとって大きなメリットをもたらします。ここでは、ワンルームマンション投資におけるサブリース契約の主要なメリットを詳しく解説いたします。

1.空室リスクの大幅な軽減

ワンルームマンション投資における最大の懸念事項の一つが空室リスクです。特に単身者向けの物件では、入居者の入れ替わりが頻繁に発生し、空室期間中は家賃収入がゼロになってしまいます。

サブリース契約では、サブリース会社が物件を一括借上げするため、実際の入居状況に関わらず、オーナーには一定の賃料が支払われます。これにより、以下のような安心感を得ることができます。

空室リスク軽減の具体的効果

・入居者退去後の空室期間中も収入が継続

・繁忙期・閑散期の影響を受けにくい安定収入

・地域の賃貸需要変動の影響を緩和

・長期的な収支計画の立案が容易

ただし、この「家賃保証」は永続的なものではなく、契約条件や市場環境の変化により見直される可能性があることを理解しておく必要があります。

2.安定した賃料収入の確保

サブリース契約により、オーナーは毎月一定額の賃料収入を得ることができます。この安定性は、特に以下のような投資家にとって大きなメリットとなります。

安定収入のメリットを享受できる投資家

・不動産投資初心者で収入の変動を避けたい方

・他の投資と組み合わせてポートフォリオを安定化したい方

・定年退職後の安定収入源として活用したい方

・金融機関からの融資返済計画を立てやすくしたい方

実際の市場家賃が変動しても、契約期間中は約束された賃料を受け取ることができるため、資金繰りの予測が立てやすくなります。これは、特に融資を活用して投資を行っている場合に重要な要素となります。

3.賃貸管理業務からの完全解放

通常の賃貸経営では、オーナーが以下のような管理業務に関わる必要があります。

通常の賃貸経営で発生する管理業務

・入居者募集と審査

・賃貸借契約の締結

・家賃の集金と督促

・入居者からのクレーム対応

・退去時の立会いと原状回復

・設備の修理・交換の手配

サブリース契約では、これらの業務がすべてサブリース会社に移管されます。オーナーは実質的に「不労所得」に近い形で賃料収入を得ることができ、本業に集中することが可能になります。

特に、遠隔地の物件を所有している場合や、複数の物件を所有している場合には、管理業務の負担軽減効果は非常に大きくなります。

4.家賃滞納リスクの完全回避

個人の入居者との直接契約では、家賃滞納のリスクが常に存在します。滞納が発生した場合、オーナーは以下のような対応を迫られます。

家賃滞納時の対応業務

・督促連絡と交渉

・連帯保証人への連絡

・法的手続きの検討と実行

・明渡し訴訟の提起

・強制執行の申立て

これらの手続きには時間と費用がかかり、精神的な負担も大きくなります。サブリース契約では、サブリース会社がオーナーに対して賃料支払い義務を負うため、入居者の滞納リスクを完全に回避することができます。

5.確定申告業務の大幅な簡素化

不動産所得の確定申告では、収入と経費の詳細な記録が必要になります。通常の賃貸経営では以下のような複雑な処理が必要です。

通常の賃貸経営での確定申告業務

・月別の家賃収入の記録

・礼金・更新料等の一時収入の処理

・管理費・修繕費等の経費の分類

・減価償却費の計算

・空室期間の収入調整

サブリース契約では、サブリース会社からの支払いのみを記録すれば良いため、確定申告業務が大幅に簡素化されます。また、多くのサブリース会社では年間の支払調書を発行してくれるため、税務処理がより容易になります。

項目 通常の賃貸経営 サブリース契約
収入の種類 家賃・礼金・更新料等 サブリース料のみ
収入の変動 月によって変動 毎月一定額
経費の処理 詳細な分類が必要 比較的シンプル
必要書類 多数の領収書等 支払調書等
申告の複雑さ 高い 低い

これらのメリットにより、サブリース契約は特に不動産投資初心者や、管理業務に時間を割けない投資家にとって魅力的な選択肢となります。ただし、これらのメリットと引き換えに、いくつかのリスクや制約が存在することも理解しておく必要があります。

ワンルームマンション投資のサブリースが「やばい」と言われる5つのリスク

サブリース契約が「やばい」「危険」と言われる背景には、投資家が十分に理解しないまま契約を締結し、後にトラブルに発展するケースが多発していることがあります。ここでは、サブリース契約の主要なリスクを詳しく解説し、なぜ注意が必要なのかを明確にいたします。

1.契約の継続・解除の決定権がサブリース会社にある

サブリース契約における最大のリスクの一つが、契約の継続性に関する問題です。多くの投資家が誤解しているのは、「30年家賃保証」といった謳い文句を「30年間絶対に契約が継続される」と理解してしまうことです。

契約解除に関する現実

借地借家法の適用により、サブリース会社(借主)は比較的容易に契約を解除することができます。一方、オーナー(貸主)からの契約解除は「正当事由」が必要とされ、実質的に困難な状況にあります。

サブリース会社が契約解除を申し出る主な理由は以下の通りです。

・周辺地域の賃貸需要の減少

・物件の老朽化による競争力の低下

・サブリース会社の事業方針変更

・収益性の悪化

実際のトラブル事例

消費者庁に寄せられた相談事例では、以下のようなケースが報告されています。

「10年間の家賃保証契約を結んだが、3年目にサブリース会社から一方的に契約解除を通告された。新たな入居者を自分で見つけなければならず、想定していた収支計画が大幅に狂ってしまった。」

このような事態を避けるためには、契約書の解除条項を詳細に確認し、どのような場合に契約が解除される可能性があるのかを事前に理解しておくことが重要です。

2.賃料の決定権と減額リスク

「家賃保証」という言葉から、多くの投資家は契約期間中の賃料が固定されると考えがちです。しかし、実際には借地借家法第32条により、サブリース会社には賃料減額請求権が認められています。

賃料減額の法的根拠

借地借家法第32条では、以下の事由により賃料の減額請求が可能とされています。

1.土地・建物の価格の下落

2.近傍同種の建物の賃料との比較

3.経済事情の変動

4.その他の事情の変更

賃料減額の実態

実際のサブリース契約では、以下のようなタイミングで賃料減額が行われることが多くあります。

減額タイミング 減額理由 減額幅の目安
契約更新時(2年毎) 市場賃料の下落 5-15%
大規模修繕後 工事期間中の空室 10-20%
築年数経過時 物件の競争力低下 10-25%
経済情勢変化時 地域需要の減少 15-30%

減額交渉の現実

サブリース会社からの減額要求に対して、オーナーが拒否することは理論上可能ですが、実際には以下の理由により受け入れざるを得ないケースが多くあります。

・法的争いになった場合の時間と費用負担

・サブリース会社による契約解除のリスク

・代替の管理会社を見つける困難さ

・市場賃料との乖離の現実

3.修繕費用とリフォーム費用の負担構造

サブリース契約では、物件の所有権はオーナーにあるため、大規模修繕や設備更新の費用は原則としてオーナー負担となります。この点で、想定以上の出費が発生するリスクがあります。

オーナー負担となる主な費用

大規模修繕費用:外壁塗装、屋上防水、給排水設備更新等

設備交換費用:エアコン、給湯器、インターホン等の交換

原状回復費用:退去時のクリーニング、内装修繕

リフォーム費用:競争力維持のための設備グレードアップ

費用負担の問題点

サブリース契約では、以下のような問題が発生することがあります。

1.修繕費用の透明性不足:サブリース会社が指定する業者での施工が条件となり、費用が割高になる場合

2.過剰な修繕要求:市場競争力維持を理由とした不必要な修繕の要求

3.緊急修繕の事後承諾:緊急性を理由とした事後承諾による高額請求

実際の費用負担例

築10年のワンルームマンションにおける年間修繕費用の実例を以下に示します。

修繕項目 頻度 費用目安 年間負担額
エアコン交換 8-10年 15万円 1.5-1.9万円
給湯器交換 10-12年 12万円 1.0-1.2万円
室内クリーニング 退去毎 5万円 1.0-2.5万円
設備修理 随時 年3万円 3.0万円
合計 - - 6.5-8.6万円

4.礼金・更新料等の収入機会の喪失

通常の賃貸経営では、家賃以外にも礼金や更新料といった収入を得ることができます。しかし、サブリース契約では、これらの収入はサブリース会社の収入となり、オーナーは受け取ることができません。

失われる収入の種類と金額

収入項目 通常の金額 発生頻度 年間収入への影響
礼金 家賃1-2ヶ月分 入居時 家賃の10-20%
更新料 家賃1ヶ月分 2年毎 家賃の6%
鍵交換費用 1.5-2万円 入居時 年間2-5万円

収入機会喪失の影響

例えば、月額家賃8万円のワンルームマンションの場合、年間で以下の収入機会を失うことになります。

・礼金収入:年間約8-16万円(入居率50%と仮定)

・更新料収入:年間約4.8万円

合計:年間約12.8-20.8万円の収入機会喪失

この金額は、サブリース料の15-25%に相当する場合が多く、実質的な収益性に大きな影響を与えます。

5.免責期間による収入の空白

多くのサブリース契約では「免責期間」が設定されています。これは、入居者の退去後や新築物件の引渡し後の一定期間、サブリース会社がオーナーに賃料を支払わない期間のことです。

免責期間の設定例

新築物件:引渡し後1-3ヶ月

退去後:退去日から1-2ヶ月

大規模修繕後:工事完了後1ヶ月

免責期間の問題点

免責期間中もオーナーには以下の負担が継続します。

1.ローン返済:金融機関への返済は継続

2.管理費・修繕積立金:マンションの管理費等は継続

3.固定資産税:税金の支払いは継続

4.火災保険料:保険料の支払いは継続

免責期間の収支への影響

月額ローン返済7万円、管理費等2万円の物件の場合、免責期間2ヶ月で18万円の持ち出しが発生します。年間を通じて考えると、この免責期間は投資収益率に大きな影響を与える要因となります。

これらのリスクを理解せずにサブリース契約を締結することが、「サブリースはやばい」と言われる主な理由です。しかし、これらのリスクを十分に理解し、適切な対策を講じることで、サブリース契約を有効活用することも可能です。

サブリース契約で失敗しないための注意点

サブリース契約のリスクを理解した上で、それでも契約を検討される場合には、以下の注意点を必ず確認することが重要です。不動産投資の専門家として、多くの投資家の皆様にお伝えしている重要なポイントをご紹介いたします。

契約内容の詳細確認

サブリース契約書は通常、数十ページに及ぶ詳細な内容となっています。契約締結前には、以下の項目を必ず確認してください。

重要確認項目一覧

確認項目 確認ポイント 注意すべき内容
契約期間 実際の保証期間 「30年保証」の実態
賃料改定条項 改定時期と条件 減額の可能性と幅
解約条項 解約事由と手続き 一方的解約の条件
免責期間 期間と適用条件 収入空白期間の長さ
修繕負担 費用負担の範囲 オーナー負担の上限
原状回復 退去時の負担 特約事項の有無

契約書確認時の注意点

1.専門家による確認:契約書の内容は法律の専門知識が必要な部分が多いため、不動産に詳しい弁護士や司法書士に確認を依頼することをお勧めします。

2.重要事項説明の録音:サブリース新法により重要事項説明が義務化されていますが、後日のトラブル防止のため、説明内容を録音しておくことが有効です。

3.質問事項の事前準備:契約前に疑問点をリストアップし、すべて解決してから契約を締結してください。

サブリース会社の信頼性確認

サブリース契約では、契約相手となるサブリース会社の信頼性が極めて重要です。以下の観点から総合的に評価してください。

財務状況の確認

決算書の開示:上場企業の場合は有価証券報告書、非上場企業の場合は決算公告を確認

自己資本比率:30%以上が望ましい

売上高の推移:直近3年間の成長性を確認

借入金の状況:過度な借入依存でないかを確認

事業実績の確認

管理戸数:一定規模以上の管理実績があるか

設立年数:最低でも5年以上の事業継続実績

トラブル履歴:過去の訴訟や行政処分の有無

業界での評判:同業他社や業界団体での評価

登録・許可の確認

サブリース新法により、以下の登録・許可を受けているかを確認してください。

賃貸住宅管理業者登録:国土交通省への登録

宅地建物取引業免許:都道府県知事または国土交通大臣免許

業界団体への加盟:全国賃貸不動産管理業協会等への加盟

長期的な収支計画の検討

サブリース契約を検討する際は、短期的な収支だけでなく、長期的な視点での収支計画を立てることが重要です。

収支シミュレーションの作成

以下の要素を考慮した詳細なシミュレーションを作成してください。

1.賃料減額の想定:5年毎に5-10%の減額を想定

2.修繕費用の積立:年間家賃収入の10-15%を修繕費として積立

3.免責期間の影響:年間1-2ヶ月の免責期間を想定

4.インフレの影響:物価上昇に対する賃料の追随性を考慮

比較検討の実施

サブリース契約と他の管理方式を比較検討することで、最適な選択肢を見つけることができます。

管理方式 初期収益率 10年後収益率 管理負担 リスク
自主管理 高い 中程度 大きい 高い
管理委託 中程度 中程度 小さい 中程度
サブリース 低い 低い 最小 低い

契約後のモニタリング体制

サブリース契約締結後も、定期的なモニタリングを行うことが重要です。

定期確認項目

賃料支払状況:遅延や減額の兆候がないか

物件の維持管理状況:適切な管理が行われているか

市場賃料との比較:サブリース料が市場水準と大きく乖離していないか

サブリース会社の経営状況:財務状況に変化がないか

トラブル発生時の対応準備

万が一トラブルが発生した場合に備えて、以下の準備をしておくことをお勧めします。

専門家との連携:弁護士や不動産コンサルタントとの連絡体制

代替管理会社の候補:サブリース契約が解除された場合の代替案

緊急資金の確保:免責期間や修繕費用に対応できる資金の確保

これらの注意点を踏まえてサブリース契約を検討することで、リスクを最小限に抑えながら、メリットを享受することが可能になります。重要なのは、契約内容を十分に理解し、長期的な視点で判断することです。

まとめ

ワンルームマンション投資におけるサブリース契約は、適切に理解し活用すれば投資家にとって有効な選択肢となり得ます。しかし、「やばい」と言われる理由も確実に存在するため、慎重な検討が必要です。

サブリース契約の要点整理

メリット

・空室リスクの軽減による安定収入

・管理業務からの解放

・家賃滞納リスクの回避

・確定申告業務の簡素化

主要なリスク

・契約解除の決定権がサブリース会社にある

・賃料減額の可能性

・修繕費用の負担

・礼金・更新料収入の喪失

・免責期間による収入空白

投資判断のポイント

サブリース契約を検討される際は、以下の観点から総合的に判断してください。

1.投資目的の明確化:安定性重視か収益性重視かを明確にする

2.リスク許容度の確認:管理業務や空室リスクをどの程度許容できるか

3.長期的な視点:10年、20年後の収支を想定した計画立案

4.代替案との比較:他の管理方式との詳細な比較検討

次のアクション

ワンルームマンション投資を成功させるためには、サブリース契約の検討だけでなく、以下のような総合的なアプローチが重要です。

物件選定の重要性:立地や築年数、設備グレードの慎重な検討

資金計画の策定:頭金、ローン条件、運用資金の適切な計画

税務対策の検討:減価償却や経費計上の最適化

出口戦略の検討:売却時期や条件の事前検討

不動産投資は長期的な視点が重要です。短期的な利益に惑わされることなく、持続可能な投資戦略を構築することが成功への鍵となります。

よくある質問

Q1.サブリース契約は途中で解約できますか?

A1.サブリース契約の解約は、契約書の条項によって決まります。一般的に、オーナーからの解約は「正当事由」が必要とされ、以下のような場合に限定されます。

・サブリース会社の賃料滞納

・契約違反行為の継続

・物件の建て替えや大規模修繕の必要性

ただし、実際の解約には法的手続きが必要となる場合が多く、時間と費用がかかることを理解しておく必要があります。契約締結前に解約条項を詳細に確認し、必要に応じて専門家に相談することをお勧めします。

Q2.サブリース会社が倒産した場合はどうなりますか?

A2.サブリース会社が倒産した場合、以下のような状況が発生します。

入居者との関係

・入居者との賃貸借契約は継続(借地借家法により保護)

・オーナーが直接の貸主として権利義務を承継

・敷金・保証金の返還義務がオーナーに移転

オーナーへの影響

・サブリース料の支払いが停止

・管理業務を自ら行うか新たな管理会社を探す必要

・入居者から直接家賃を受け取る権利を取得

このリスクを軽減するため、サブリース会社の財務状況を定期的に確認し、信頼性の高い会社を選択することが重要です。

Q3.サブリースと管理委託はどちらがおすすめですか?

A3.どちらが適しているかは、投資家の状況や目的によって異なります。

サブリースが適している場合

・不動産投資初心者で管理業務に不安がある

・本業が忙しく管理に時間を割けない

・安定収入を重視し、多少の収益性低下は許容できる

・遠隔地の物件を所有している

管理委託が適している場合

・不動産投資の経験がある

・収益性を重視したい

・物件の管理状況を把握したい

・礼金や更新料等の収入も確保したい

一般的に、収益性を重視する場合は管理委託、安定性を重視する場合はサブリースが適していると言えます。

Q4.サブリース契約の賃料保証率はどの程度ですか?

A4.サブリース契約の賃料保証率は、一般的に市場家賃の80-90%程度に設定されることが多くあります。

保証率の決定要因

・物件の立地条件

・築年数と設備グレード

・地域の賃貸需要

・サブリース会社の事業方針

保証率の変動

・契約更新時に見直される場合が多い

・市場環境の変化により減額される可能性

・物件の競争力低下に伴い段階的に減額

重要なのは、初期の保証率だけでなく、長期的な変動可能性を理解しておくことです。

Q5.サブリース契約に向いている物件の特徴は?

A5.サブリース契約に適した物件には以下のような特徴があります。

立地条件

・駅徒歩10分以内の好立地

・単身者需要の安定した地域

・将来的な開発計画がある地域

物件条件

・築浅または適切にメンテナンスされた物件

・標準的な設備を備えた物件

・管理状況が良好なマンション

投資条件

・購入価格が適正水準

・十分な自己資金がある

・長期保有を前提とした投資

逆に、築古物件や立地条件の悪い物件では、サブリース会社が契約を敬遠する場合や、保証率が大幅に低下する可能性があります。