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2025年1-3月期 首都圏中古不動産市場が活況 - 成約件数大幅増、マンション価格は上昇継続

作成者: 稲澤大輔|2025/04/29 23:11:42 Z

公益財団法人 東日本不動産流通機構は、2025年1月から3月期の不動産流通市場の動向をまとめた季報を発表しました。それによりますと、首都圏の中古不動産市場において、成約件数が前年同期と比較して大幅に増加するなど、活発な取引が見られました。

特に首都圏の中古マンション市場では、成約件数が12,385件となり、前年同期比でプラス25.5%と大きく増加しました 。成約㎡単価も79.81万円/㎡に達し、前年同期比プラス5.3%と19期連続の上昇を記録 。成約価格も5,011万円(前年同期比プラス3.4%)と、こちらは50期連続での上昇となり、中古マンションの価格は高止まり、あるいは上昇傾向が続いていることが示されました 。地域別では、東京都区部で㎡単価が10.5%上昇し、49期連続で前年同期を上回るなど、特に強い動きが見られます 。一方で、成約物件の平均専有面積は4期連続で縮小し、平均築年数は経過が進んでいます

中古戸建住宅市場でも成約件数は増加しており、5,165件と前年同期比プラス48.5%を記録、5期連続での増加となりました 。しかしながら、成約価格は3,933万円(前年同期比マイナス0.8%)と、ほぼ横ばいながらも19期ぶりに前年同期を下回る結果となりました 。土地面積、建物面積は前年同期から微増しています 。地域別では、東京都区部のみが成約価格で上昇を維持しています

参考として、札幌市の中古マンション成約件数は14.1%増加し、6期連続で前年同期を上回る好調ぶりです 。仙台市は件数が減少しましたが、㎡単価は1.8%上昇しています 。中古戸建住宅は、札幌市が件数で16.2%増加したものの価格は3.0%下落、仙台市は件数、価格ともに下落となりました

今回のデータからは、首都圏の中古不動産市場、特にマンションにおいて、強い購入意欲と価格の上昇基調が続いている状況がうかがえます。今後の市場動向については、引き続き注視が必要です。

参考資料:季報Market Watch  サマリーレポート  2025 年 1~3 月期