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【プロが教える】マンション売却の注意点|マンション売却の流れと売り方がわかる

作成者: 稲澤大輔|2025/06/17 3:21:05 Z

マンション売却は、多くの方にとって人生で数回しか経験しない重要な取引です。

適切な知識と準備なしに進めると、想定よりも低い価格での売却や、予期しない費用の発生など、後悔する結果を招く可能性があります。

本記事では、INA&Associates株式会社として数多くのマンション売却をサポートしてきた経験をもとに、マンション売却の流れから注意すべきポイントまで、一般消費者の皆様にも理解しやすい形で詳しく解説いたします。

マンション売却を成功させるためには、市場動向の把握、適切な査定価格の設定、信頼できる不動産会社の選定など、複数の要素を総合的に検討する必要があります。

マンション売却の基本的な流れ

マンション売却は、以下の8つのステップで進行します。

各段階で適切な判断を行うことが、満足のいく売却結果につながります。

売却準備から契約完了までの全体像

ステップ 内容 期間目安 主な注意点
1.売却検討・情報収集 市場相場の調査、売却理由の明確化 1-2週間 複数の情報源から相場を確認
2.不動産会社選定 査定依頼、仲介会社の比較検討 2-3週間 最低3社以上から査定を取得
3.媒介契約締結 専属専任・専任・一般媒介の選択 1週間 契約形態による違いを理解
4.売却活動開始 広告掲載、内覧対応 1-6ヶ月 物件の魅力を最大限にアピール
5.購入申込・価格交渉 条件交渉、契約条件の調整 1-2週間 妥協点を事前に検討
6.売買契約締結 重要事項説明、契約書調印 1週間 契約内容の詳細確認
7.決済・引渡し準備 住宅ローン完済手続き、引越し準備 1-2ヶ月 各種手続きのスケジュール管理
8.決済・引渡し完了 所有権移転、鍵の引渡し 1日 必要書類の事前準備

売却検討段階での重要な準備

マンション売却を検討する際は、まず売却理由を明確化することが重要です。

住み替え、資金調達、相続対応など、売却理由によって最適な売却戦略が異なります。

また、現在の住宅ローン残債と売却予想価格を比較し、オーバーローン状態でないかを確認する必要があります。

オーバーローンの場合は、売却代金だけでは住宅ローンを完済できないため、追加資金の準備や任意売却の検討が必要となります。

市場相場の調査では、同じマンション内の過去の取引事例、近隣の類似物件の売出価格、不動産ポータルサイトの相場情報などを総合的に分析します。

ただし、インターネット上の情報だけでは正確な査定は困難なため、専門家による詳細な査定を受けることが不可欠です。

不動産会社選定のポイント

マンション売却の成功は、信頼できる不動産会社の選定にかかっています。

仲介手数料の安さだけで判断するのではなく、総合的なサービス品質を評価することが重要です。

優良な不動産会社の見極め方

優良な不動産会社を見極めるためには、以下の要素を総合的に評価する必要があります。

査定根拠の明確性は最も重要な判断基準の一つです。

単に高い査定価格を提示するだけでなく、市場データに基づいた論理的な根拠を示せる会社を選ぶべきです。

営業担当者の専門知識も重要な要素です。

マンション売却に関する法的知識、税務知識、市場動向への理解度などを確認し、的確なアドバイスを提供できる担当者かどうかを見極めます。

販売戦略の具体性についても詳しく確認しましょう。

どのような媒体で広告を行うか、ターゲット層をどう設定するか、内覧対応はどのように行うかなど、具体的な販売計画を提示できる会社が望ましいです。

媒介契約の種類と特徴

契約種類 契約可能社数 レインズ登録義務 売主への報告義務 メリット デメリット
専属専任媒介 1社のみ 5日以内 1週間に1回以上 積極的な販売活動が期待できる 他社との比較ができない
専任媒介 1社のみ 7日以内 2週間に1回以上 自己発見取引が可能 販売力に依存するリスク
一般媒介 複数社可能 任意 任意 複数社による競争効果 各社の積極性が低下する可能性

専属専任媒介契約は、1社に売却活動を委託する契約形態で、不動産会社にとって確実に仲介手数料を得られるため、最も積極的な販売活動が期待できます。

一方で、他社との比較ができないため、不動産会社の選定が特に重要となります。

一般媒介契約は複数の不動産会社に同時に売却を依頼できるため、より多くの購入希望者にアプローチできる可能性があります。

ただし、各社の積極性が低下する傾向があるため、売主自身がより積極的に売却活動に関与する必要があります。

マンション売却にかかる費用

マンション売却では、売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。

各種費用を事前に把握し、手取り額を正確に計算することが重要です。

売却時に発生する主な費用

費用項目 金額目安 支払時期 備考
仲介手数料 売却価格×3%+6万円+消費税 契約時・決済時 成功報酬として支払い
印紙税 契約時 売却価格により変動
抵当権抹消費用 1~3万円 決済時 司法書士報酬含む
譲渡所得税・住民税 売却益×税率 翌年確定申告時 所有期間により税率変動
引越し費用 10~50万円 引渡し前 距離・荷物量により変動
ハウスクリーニング 5~15万円 引渡し前 任意だが売却促進効果あり

仲介手数料は最も大きな費用項目で、売却価格が400万円を超える場合は「売却価格×3%+6万円+消費税」で計算されます。

例えば、3,000万円でマンションを売却した場合、仲介手数料は105.6万円(消費税込み)となります。

譲渡所得税は、売却によって利益が生じた場合にのみ課税されます。

所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得として約39%、5年超の場合は長期譲渡所得として約20%の税率が適用されます。

ただし、居住用財産の売却では3,000万円の特別控除が適用されるため、多くの場合で税負担を軽減できます。

費用を抑えるための工夫

売却費用を抑えるためには、いくつかの工夫が可能です。

複数社からの査定取得により、仲介手数料の交渉余地を探ることができます。

ただし、手数料の安さだけでなく、サービス品質とのバランスを考慮することが重要です。

ハウスクリーニングや軽微な修繕は、売却価格の向上効果と費用を比較検討して実施を判断します。

一般的に、水回りのクリーニングや壁紙の張り替えなどは、費用対効果が高いとされています。

引越し時期の調整により、引越し費用を抑えることも可能です。

繁忙期(3-4月)を避けることで、引越し費用を大幅に削減できる場合があります。

売却価格を最大化するための戦略

マンション売却において、適切な価格設定物件の魅力向上は売却成功の鍵となります。

市場動向を踏まえた戦略的なアプローチが必要です。

適切な売出価格の設定方法

売出価格の設定は、マンション売却の成否を左右する最も重要な要素です。

市場価格より高すぎる設定は売却期間の長期化を招き、最終的により低い価格での売却を余儀なくされる可能性があります。

一方で、市場価格より低すぎる設定は、本来得られるはずの利益を逸失することになります。

適切な価格設定のためには、以下の要素を総合的に分析する必要があります。

同一マンション内の取引事例は最も参考になる指標です。

同じ建物内での過去1年間の取引価格、現在の売出物件の価格動向を詳細に分析します。

階数、方角、専有面積、リフォーム履歴などの違いを考慮して、自分の物件の適正価格を推定します。

近隣の類似物件との比較も重要な要素です。

築年数、構造、立地条件、設備仕様などが類似する物件の価格動向を分析し、自分の物件の競争力を客観的に評価します。

市場環境の変化も価格設定に大きく影響します。

金利動向、住宅ローン政策、税制改正、地域開発計画などのマクロ要因が不動産価格に与える影響を考慮する必要があります。

物件の魅力を高める方法

売却前の適切な準備により、物件の魅力を大幅に向上させることができます。

第一印象の改善は最も効果的な方法の一つです。

内覧時の印象が購入決定に大きく影響するため、清掃、整理整頓、照明の改善などにより、明るく清潔な印象を与えることが重要です。

軽微な修繕の実施も効果的です。

壁紙の汚れ、水回りの劣化、建具の不具合などは、購入希望者に悪い印象を与える可能性があります。

費用対効果を考慮しながら、必要最小限の修繕を実施することで、売却価格の向上が期待できます。

ホームステージングの活用も検討に値します。

家具や小物を効果的に配置することで、物件の魅力を最大限に引き出すことができます。

特に空室の場合は、モデルルームのような演出により、購入希望者の購買意欲を高めることができます。

内覧対応のポイント

内覧対応は売却成功の重要な要素です。

事前準備として、室内の清掃、整理整頓、適切な温度・湿度の調整、照明の確保などを行います。

内覧当日の対応では、購入希望者の質問に的確に答えられるよう、物件の詳細情報、周辺環境、管理状況などを事前に整理しておきます。

過度な営業トークは避け、購入希望者が自由に物件を見学できる環境を提供することが重要です。

アフターフォローも大切です。

内覧後に購入希望者からの追加質問があった場合は、迅速かつ正確に回答することで、購入意欲の維持・向上を図ります。

マンション売却の注意点

マンション売却では、様々なリスクや落とし穴が存在します。

事前の知識と準備により、これらのリスクを最小限に抑えることができます。

契約関連の注意点

売買契約は法的拘束力を持つ重要な文書です。

契約条件の詳細確認は必須であり、特に以下の項目については慎重に検討する必要があります。

手付金の額と性質について正確に理解することが重要です。

手付金は契約の証拠金としての性質を持ち、買主の都合による契約解除の場合は手付金を放棄、売主の都合による契約解除の場合は手付金の倍額を支払うことになります。

引渡し時期と条件についても詳細に取り決める必要があります。

住み替えの場合は、新居の購入スケジュールとの調整が重要であり、引渡し時期の延期が必要になった場合の対応方法も事前に協議しておくべきです。

瑕疵担保責任についても十分な理解が必要です。

売主は、売却後に発見された物件の欠陥について一定期間責任を負うことになります。

既知の不具合については事前に買主に告知し、契約書に明記することでトラブルを防止できます。

税務関連の注意点

マンション売却に伴う税務処理は複雑であり、専門家のアドバイスを受けることが重要です。

譲渡所得の計算では、取得費、譲渡費用、特別控除などを正確に把握する必要があります。

取得費には、購入価格だけでなく、購入時の仲介手数料、登記費用、不動産取得税なども含まれます。

居住用財産の特例を適用する場合は、居住期間、所有期間、過去の適用履歴などの要件を満たしているかを確認する必要があります。

3,000万円の特別控除、軽減税率の特例、買換え特例などの適用により、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。

確定申告の手続きについても事前に準備が必要です。

売却した年の翌年3月15日までに確定申告を行う必要があり、必要書類の準備や申告書の作成には時間がかかります。

住宅ローン関連の注意点

住宅ローンが残っているマンションを売却する場合は、金融機関との調整が必要です。

抵当権の抹消手続きは、売却代金による住宅ローンの完済と同時に行う必要があります。

決済日当日の手続きの流れを事前に確認し、必要書類を準備しておくことが重要です。

オーバーローンの場合は、売却代金だけでは住宅ローンを完済できないため、追加資金の準備が必要です。

追加資金の調達が困難な場合は、任意売却の検討が必要となります。

住み替えローンの利用を検討する場合は、売却と購入のタイミング調整が重要です。

売却決済と購入決済を同日に行う必要があるため、綿密なスケジュール管理が求められます。

まとめ

マンション売却は、適切な知識と準備により成功に導くことができる重要な取引です。

市場動向の把握信頼できる不動産会社の選定適切な価格設定物件の魅力向上各種リスクへの対応など、多面的なアプローチが必要です。

特に重要なポイントを以下にまとめます。

売却準備段階では、売却理由の明確化、市場相場の調査、住宅ローン残債の確認を行い、売却戦略の基盤を固めることが重要です。

不動産会社選定では、査定根拠の明確性、営業担当者の専門知識、販売戦略の具体性を総合的に評価し、最適なパートナーを選択します。

価格設定と販売活動では、市場データに基づいた適正価格の設定と、物件の魅力を最大限に引き出す準備により、売却価格の最大化を図ります。

契約・決済段階では、契約条件の詳細確認、税務処理の適切な実施、住宅ローン関連手続きの円滑な進行により、安全で確実な取引を実現します。

マンション売却は一生に数回しか経験しない重要な取引です。

専門知識を持つ信頼できるパートナーと共に、計画的かつ戦略的に進めることで、満足のいく結果を得ることができます。

INA&Associates株式会社では、お客様一人ひとりの状況に応じた最適な売却戦略をご提案し、安心・安全な取引をサポートいたします。

マンション売却をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q1.マンション売却にはどのくらいの期間がかかりますか?

マンション売却の期間は、市場環境、物件の条件、価格設定などにより大きく異なります。

一般的には、売却活動開始から契約締結まで3~6ヶ月、契約締結から引渡しまで1~2ヶ月程度が目安となります。

人気エリアの好条件物件であれば1ヶ月以内での売却も可能ですが、条件が厳しい物件では1年以上かかる場合もあります。

適切な価格設定と効果的な販売戦略により、売却期間の短縮が可能です。

Q2.住宅ローンが残っていてもマンションを売却できますか?

住宅ローンが残っていても、売却代金でローンを完済できる場合は問題なく売却可能です。

売却代金がローン残債を下回る「オーバーローン」の場合は、不足分を自己資金で補うか、任意売却を検討する必要があります。

金融機関との事前相談により、最適な解決方法を見つけることができます。

Q3.マンション売却時の税金はどのくらいかかりますか?

マンション売却時の税金は、売却益(譲渡所得)が発生した場合にのみ課税されます。

居住用財産の売却では3,000万円の特別控除が適用されるため、多くの場合で税負担を軽減できます。

所有期間が5年以下の場合は約39%、5年超の場合は約20%の税率が適用されますが、各種特例の適用により実際の税負担は大幅に軽減される可能性があります。

Q4.仲介手数料以外にどのような費用がかかりますか?

仲介手数料以外の主な費用として、印紙税、抵当権抹消費用、譲渡所得税・住民税、引越し費用などがあります。

また、ハウスクリーニングや軽微な修繕費用も発生する場合があります。

総額で売却価格の5~10%程度を見込んでおくことが一般的です。

Q5.売却前にリフォームは必要ですか?

大規模なリフォームは一般的に推奨されません。

費用に見合う価格向上効果が期待できない場合が多いためです。

ただし、水回りのクリーニング、壁紙の張り替え、軽微な修繕などは費用対効果が高く、売却促進に有効です。

物件の状況と市場環境を考慮して、必要最小限の改善を行うことが重要です。