渋谷駅周辺は近年、目覚ましい変貌を遂げています。その中でも注目すべき再開発プロジェクトの一つが、「道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業」です。三菱地所が参加組合員として参画する本プロジェクトは、道玄坂一丁目と二丁目をつなぐ新たなネットワークを構築し、渋谷エリアの価値向上に大きく貢献するものとなるでしょう。
不動産業界に身を置く者として、この再開発事業の進捗に注目しています。単なる建物の建設ではなく、新たな人財交流の場を創出し、地域全体の活性化を促進する取り組みとして、その意義は非常に大きいと考えています。
本プロジェクトは、渋谷区道玄坂二丁目の約0.8haの区域で進められている第一種市街地再開発事業です。地上30階、地下3階、高さ約155mの高層棟(オフィス)と地上11階、地下2階、高さ約60mの中層棟(ホテル)の2棟構成となっています。総延べ面積は約87,100㎡にのぼります。
2023年2月から12月にかけて既存建物の地上解体工事が行われ、2024年1月16日に地下解体工事および新築工事に着工しました。2027年2月末の竣工を予定しており、プロジェクト全体の完成が待ち望まれています。
当プロジェクトの特筆すべき点は、道玄坂一・二丁目をつなぐ南北ネットワークを形成し、その結節点に約850㎡の広場や約50mに及ぶ緑道を設けることです。この空間は、単なる通路ではなく、人々が交流し、憩い、情報を発信する場として機能することを目指しています。
オフィス棟は、京王井の頭線「渋谷」駅直結という優れたアクセス性を誇り、各フロア1,500㎡超の貸付面積を有する高機能オフィスビルです。多種多様な企業や働き方に合わせた、多彩なワークスペースの実現を目指しています。
現代のビジネス環境は急速に変化しており、オフィスに求められる機能も多様化しています。柔軟な働き方を可能にする空間設計と、高度な機能を兼ね備えたこのオフィス棟は、入居企業の成長と社員の創造性を引き出す場となるでしょう。私たちが考える「人財が最も重要な資産」という考え方を体現できる場所になると期待しています。
中層棟には、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズが運営する「TRUNK(HOTEL) DOGENZAKA(仮称)」が出店します。約120~130室の客室に加え、エリア最大級のルーフトッププールやルーフトップレストラン&バー、最新ウェルネスを体験できるスパなど、豊富なエンターテインメント施設を備えた、遊び慣れた大人をターゲットとしたラグジュアリーブティックホテルです。
このホテルは、"上質な渋谷のカオス"を堪能できる仕様として、道玄坂および渋谷エリアへの多様な来街者の誘致を促進し、新たな魅力を発信する役割を担います。2027年夏に開業を予定しています。
私たちは、この「道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業」が、単に新しい建物を建設するだけでなく、人と人、人と街をつなぎ、新たな価値を創造する場になることを期待しています。
渋谷という多様性と創造性に富む街において、このプロジェクトが新たなランドマークとなり、地域の持続可能な発展に貢献することを願っています。私たちINAも、不動産業を通じて、人財の成長と豊かさを追求し、社会に必要とされる企業であり続けることを目指します。
まちづくりは人づくり。その思いを胸に、渋谷の新たな未来を見守っていきたいと思います。